集客において「検索で見つけてもらう」ことは最優先事項のひとつ。その中でも、店舗や事業所への来店・問合せに直結する「MEO対策」は、地域密着型のビジネスに欠かせない施策です。
そしてMEOの土台となるのが、NAP(店舗名・住所・電話番号)の情報を正しく、統一して発信すること。
この記事では、「NAPとは何か?」から「なぜそれが重要なのか?」具体的な統一手順や運用のポイントまで、実際の事例を交えてわかりやすく解説します。
「地元で選ばれるお店・企業」になるための一歩として、ぜひ最後までご覧ください。
NAPとは?読み方と基本をわかりやすく解説
MEO対策においてよく聞く「NAP」とは何なのか、意味や重要視される理由についてまずは見ていきましょう。
NAPの意味と定義
NAPとは、「Name(名称)」「Address(住所)」「Phone(電話番号)」の頭文字を取った略称です。
店舗名や住所、問い合わせ先など自社(店舗)の重要かつ基本的な情報です。これらを検索エンジンや各種媒体に一貫して正確に表示させることが、ローカルSEOやMEO対策の一環になります。
正確なNAP情報は、Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)をはじめ、ホームページ、ポータルサイト、SNSなどに掲載されることで、検索エンジンとユーザーの信頼を得ることができます。
NAP情報がローカル検索で重視される理由
Googleなどの検索エンジンは、ユーザーが近隣の店舗やサービスを探す際に、正確で信頼できる情報を優先して表示します。
NAP情報が各媒体でバラバラだと、「この情報は本当に信頼できるのか?」と検索エンジンが判断し、表示順位が下がる原因になります。一方で、統一されたNAP情報は信頼性が高まり、ローカル検索での露出を増やす大きな要因となるのです。
Googleビジネスプロフィールでは正しい住所を掲載しているのに、ホームページでは旧住所のままになっていると、Googleはどちらが正しいのか判断に迷い、順位評価が下がる恐れがあります。
こうした食い違いは検索エンジンだけでなく、ユーザーの混乱にもつながるため、結果として来店・問い合わせの機会を逃すことになります。
NAP情報を統一することで得られる5つの効果
NAPとは何か?がわかったところで、NAP情報を統一することで得られる5つの効果/メリットについてみていきましょう。
ローカル検索順位の向上
NAPを正しく統一することで、Googleのローカル検索アルゴリズムに好影響を与え、検索結果の上位に表示されやすくなります。特に競合が多いエリアや業種では、NAP整備が欠かせません。
なぜ効果があるのか?
Googleは、検索結果に信頼性の高い情報を表示するため、情報の一貫性を重視します。すべての媒体で一致しているNAP情報は「正確な情報」と判断され、Googleローカルパックでの順位に良い影響を与えます。
「今すぐ」需要にも対応し集客効果を最大化
スマホで「近くの◯◯」を検索するユーザーは、すぐに訪れる意図を持っています。正確な電話番号や住所が表示されていれば、そのまま電話・来店に繋がる可能性が高くなります。
「新宿 カフェ 喫煙可」などで検索し、地図で表示された店舗情報に電話ボタンや経路案内が表示されると、ユーザーは即行動に移ります。このとき誤った電話番号が掲載されていると、問い合わせ自体が失われます。

ユーザー信頼度の向上
ネット上で自社の情報が常に正確であることは、顧客からの信頼を獲得する基盤になります。異なる媒体で表記がバラバラだと、「本当にこの店舗に行って大丈夫か?」という不安を生む原因になります。
ユーザーは一つの情報源だけでなく、複数のメディアを見て意思決定を行うため、どの媒体にも同じ情報があれば、安心して来店でき、機会損失を減らせます。
美容室や歯科医院など、事前に情報を調べる業種では、NAPの一貫性が口コミや評価と並んで重要視される要素です。更新頻度が低いと、活気がない印象も与えます。
サイテーション獲得増
NAP情報が統一されていれば、他サイトやメディアに取り上げられる際にも同一の情報として認識されやすくなり、サイテーション(言及)を増やすことに繋がります。これはローカルSEOにおける評価の向上にも寄与します。
特に地域メディアや口コミサイトに取り上げられた際、NAPがズレていると「別の店舗」と認識されてしまうことがあります。結果として評価が分散し、SEO効果が薄れてしまいます。
サイテーションとは?
引用や言及を意味し、被リンクのようにSEOに効果を与えます。直接リンクがない場合でも、正確な店舗情報の記載はGoogleにとって評価対象となります。
運用・対応コストの削減
情報が統一されていれば、変更が生じた際にも管理しやすく、情報更新ミスや問い合わせ対応の手間が減ります。運用の効率化が実現できます。
電話番号変更後、SNSとHPは更新したがGoogleビジネスプロフィールは旧番号のままだったため、「つながらない」と苦情が寄せられたケースもあります。管理表を作って一元管理すれば、このようなミスは防げます。



NAP情報の設定・統一5ステップ
ここからは、GoogleビジネスプロフィールにおけるNAP情報の設定、そのほかWeb媒体で統一する方法について解説していきます。1つ1つ進めていきましょう。
まず前提として自社の住所と店舗名、電話番号の表記を決めておく必要があります。
GoogleビジネスプロフィールでのNAP設定
まず最初に取り組むべきは、Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)の情報設定です。これはGoogleマップや検索結果に直接影響するため、最も重要なプラットフォームのひとつです。
すでにGoogleビジネスプロフィールの設定が完了している方は、Google検索やマップ上から、自社(自店舗)の表示を確認すればOK。
変更する場合や新たに開設された方は以下を参考にしてください。
まずは、Googleビジネスプロフィールを管理しているGoogleアカウントにログインし、管理画面にアクセスします。
多店舗展開している場合は、対象となる店舗を選びましょう。




営業時間や店休日も住所や電話番号と並んで重要な情報です。来店機会を逃さないためにも、しっかりと設定・確認しておきましょう。


問題なく表示されるかも確認しましょう。通常は、10分程度で情報が反映されます。


HP、ポータルサイト、SNS等のNAP統一
NAP情報はGoogle以外のプラットフォームにも多く存在します。以下のような媒体でもすべて同じ内容を掲載することが重要です。
確認すべき対象メディア例
- 公式ホームページ
- 食べログ、ぐるなび、ホットペッパー
- Yahoo!ロコ
- Instagram、Facebook、X(旧Twitter)
- 地域ポータルサイト(市区町村の商工会、観光協会など)
店名の省略や通称表記を避け、公式名で統一するようにしましょう。番地や建物名、電話番号の記号(ハイフン有無)、半角全角も完全一致させるのが望ましいです。



構造化データを使ってNAPを統一する
構造化データとは、検索エンジンに情報を正確に伝えるためのコード(マークアップ)です。ホームページにJSON-LD形式の構造化データを入れることで、NAP情報を明示的に伝えられます。
例(JSON-LD形式):
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "LocalBusiness",
"name": "株式会社〇〇",
"address": {
"@type": "PostalAddress",
"addressLocality": "渋谷区",
"addressRegion": "東京都",
"postalCode": "150-0001",
"streetAddress": "渋谷1-2-3 ○○ビル3F"
},
"telephone": "03-1234-5678"
}
</script>
構造化データを用いることで、GoogleがNAP情報を正しく認識しやすくなり、MEOの精度や情報の正確性が高まります。



営業時間・休業日も併せて確認を
店舗名、住所、電話番号の略称であるNAP情報と並んで大切なのが、「営業時間」や「休業日」の記載です。
営業時間や店休日がバラバラの記載になっているとユーザーも混乱しますし、来店や問い合わせの機会を逃すことにもなりかねません。Googleビジネスプロフィール上の営業時間や祝日・臨時営業・休業の設定も確認しておきましょう。
通常の営業時間の設定はもちろん、時短営業や営業時間の延長など細やかな設定が可能。「特別営業時間」を事前に設定することで、年末年始やイベント対応の不規則な営業にも対応できます。
Googleビジネスプロフィールの管理画面から鉛筆マークをクリックし、「営業時間」→「特別営業時間」を選択し、カレンダーから該当日を選ぶだけでOKです。
操作方法の詳細は以下で解説しています。


NAP整合性チェック
すべての媒体でNAPが一致しているかを定期的に確認する必要があります。
おすすめチェック方法
- GoogleスプレッドシートやExcelで「NAP管理表」を作成
- 月1回を目安にチェック
- 無料のNAPチェックツール(例:Moz Local, BrightLocal など)を活用
月1回を目安にポータルサイトや個人的に紹介されているブログも含めてNAPが一致しているか、確認しましょう。
NAPをチェックしたり統一するツールもあるため気になる方はチェックしてみましょう。
ポイント
- 小さなズレ(例:「1丁目2番地3号」と「1-2-3」)も統一対象
- 「㈱」や英語表記とばらつきがある場合も統一
NAP統一の具体例とよくあるミス
ここからは、具体的にNAP統一でよくあるミスについて具体例を交えながら見ていきましょう。
良い例とNG例
実際には同じ意味でも、微妙に表記が異なることを「表記揺れ」と言います。
店名や住所は特に表記揺れが発生しやすいので注意しましょう。
店名
細かいようにも感じますが、半角全角、カタカナひらがな英語、など全てが一致するよう確認しましょう。
公式の表記 | 表記揺れ・誤った表記 | 解説 |
株式会社ABC | (株)ABC | 前株か後株かも含め統一 |
株式会社AB・Cz | 株式会社ABCz | 「・」の違い |
ABCクリニック | エービーシークリニック | カタカナか英語か |
ABC | ||
ABC Hair Shibuya | ABC Hair渋谷店 | 多店舗展開の場合は店や院など支店名の表記にも注意 |
チェック項目
- 半角全角
- 株式会社、有限会社などの表記
- 「サロン」「カフェ」などの有無
- カタカナ、英語、ひらがなの表記の差
- スペースの有無
- 記号(「・」「/」「|」)の有無
- 多店舗展開の場合の支店名の付け方を統一
住所
番地の表記、マンション名やビル名の表記、部屋番号の表記に注意が必要です。
公式の表記 | 表記揺れ・誤った表記 | 解説 |
東京都渋谷区渋谷1−2ー3 | 東京都渋谷区渋谷1-2-3 | 番地が半角全角で不一致 |
東京都渋谷区渋谷1−2ー3 | 東京都渋谷区渋谷1丁目2番地3号 | 漢字と数字での不一致 |
東京都渋谷区渋谷1−2ー3渋谷ビル9階 | 東京都渋谷区渋谷1−2ー3渋谷ビル9F | 階数の表記が不一致 |
東京都渋谷区渋谷1−2ー3ビルSHIBUYA1001 | 東京都渋谷区渋谷1−2ー3ビルSHIBUYA1001号室 | 部屋番号の表記不一致 |
チェック項目
- 半角全角
- ビル/マンション名の表記
- 英数字表記か漢字表記か
- 階数の表記
- 部屋番号や区各の表示
電話番号
番号自体が不一致になるような以下のケースでは、メインの番号とサブの番号をしっかりと区別するようにしましょう。
- 多店舗展開をしていて統一フリーダイヤルと店舗用の番号がある
- 店舗一般の電話番号と予約用専用ダイヤルがある
- 固定電話もあるが普段は携帯電話で予約を受け付けている



公式の表記 | 表記揺れ・誤った表記 | 解説 |
03-1234-5678 | 0312345678 | ハイフン有無で |
03-1234-5678 | 03.1234.5678 | . による不一致 |
03-1234-5678 | 0120-123-456 | メインの番号を決める |
NAP不一致を防ぐコツ
すべての媒体に入力する際は、コピー&ペーストを基本とし、手打ち入力を避けることでブレを防げます。
また、NAP統一ルールを社内で文書化しておくと、複数人で運用する際もミスを減らせます。
注意すべき項目10
名称、住所、電話番号以外に営業時間や定休日についても合わせて確認しておきましょう。
- 店名の表記揺れ(株式会社と㈱の使い分け)
- 略称・通称の使用(例:ドトール vs ドトールコーヒーショップ)
- 番地や建物名の省略・略記
- 電話番号の変更漏れ(固定・携帯混在)
- 複数店舗の情報混在(本店と支店の情報を間違える)
- 地図ピンの位置ズレ
- SNSでの旧情報のまま放置
- 定休日や営業時間の誤記
- 多言語ページでの不一致(英語・中国語ページなど)
- 移転後の古い情報がネット上に残っている
NAP情報の定期メンテナンス
NAP情報は最初に一度確認したら終わりではありません。定期的な確認・修正のメンテナンスが重要です。
NAP情報の不一致を検出する方法
不一致を早期に見つけるには、自動化と手動チェックの両方が効果的です。
方法1:無料ツールの活用
Moz Local、BrightLocal、Yextなどを活用すれば、複数の媒体におけるNAP不一致を一覧表示できます。
本格的な診断・運用は有料になることもありますが、簡易的なNAP状況の把握であれば無料で使えますので活用してみるのも良いでしょう。
方法2:社内マニュアル・管理表の活用
Google検索で「店舗名+電話番号」などで検索し、表示されるサイトの内容を確認する方法もあります。
自社で作成したExcelやスプレッドシートに掲載URLとNAPをまとめておき、変更があった場合はそれを更新するルールを設けるというアナログながらシンプルな方法もあります。



サンプルデータです↓↓必要な方はご活用ください。
定期チェックのポイントとスケジュール
定期チェックのポイントとスケジュールを整理しておきましょう。
チェック・更新する媒体 | 更新頻度 |
---|---|
ポータルサイト サードパーティーサイト 個人ブログ | 3か月ごと |
全媒体(公式HPやSNSなどすべて) | NAP情報を変更したら即時 |
チェックポイント
- 店名、住所、電話番号、営業時間が一致しているか
- Googleマップ上のピンの位置が正しいか
- 表記揺れや旧データの残存がないか
事例紹介:NAP統一で順位が上がった店舗
弊社(株式会社WEBTANT)のクライアント様で、NAP統一によって順位が上がった事例をご紹介していきます。
まつエクサロン(三鷹市)
東京近郊で多店舗展開(13店舗)されているまつエクサロン様からのお問い合わせ。うち1店舗がどうにも順位が上がらない、とのこと。
「口コミも入っていて投稿もマメにしていて写真もこだわっている。近隣競合店と比較しても悪くないと思うのになぜか順位が上がらない・・・」といったご相談でした。
- 口コミ件数:50件以上
- 口コミ対応:漏らさず返信
- 写真枚数:30枚以上かつ1ヶ月以内の更新
- 最新情報の投稿:週1ペースでお客様のBeforeAfter写真付きで更新
- 電話番号に不一致あり
一般的なMEO対策については一通り行っている状況でしたが、調べていくうちに「電話番号」に不一致があることが判明しました。
ネイリストさん1人でマンションの1室で営業されており、固定電話はひかれていない状況。すぐに電話をとれるように、とネイリストさん直通の電話番号をGoogleビジネスプロフィールに登録されていました。
一方で、HPやホットペッパービューティーには、代表統一番号が記載されている状況。公式ホームページ、ホットペッパービューティーなどほかの媒体も当該店舗の電話番号は、携帯電話の番号に統一してもらいました。
電話番号の不一致を解消した結果、1か月後に20位→3位まで順位が上昇しました。
プライベートジム 兼 整体(さいたま市)
柔道整復師という国家資格をもつトレーナーさんがパーソナルトレーニングを行ってくれるプライベートジムからのお問い合わせ。
ビルの2階にジム空間、3階に整体スペースという形で運営されていました。
- 口コミ件数:20件以上
- 口コミ対応:漏らさず返信
- 写真枚数:40枚以上かつ1ヶ月以内の更新
- 最新情報の投稿:月2ペースでトレーニング風景やお客様の声をUP
- 住所表記に不一致あり
住所の記載が公式ウェブページ、エキテン、Googleビジネスプロフィールでそれぞればらつきがみられたため、すべて統一しました。
その結果、12位→4位の順位上昇がみられました。
眼科(大阪市中央区)
ターミナル駅至近にある眼科クリニックさんからのご相談でした。「ここ最近で順位が落ちてしまった…原因を探りたい」といったお問い合わせです。
- 口コミ件数:13件
- 口コミ対応:返信率70%
- 写真枚数:20枚以上/前回更新より2年経過
- 最新情報の投稿:休診日のお知らせで不定期更新
- クリニック名に不一致あり
Googleビジネスプロフィールには「大阪みなみのABC眼科」という具合に地名を含めて登録されていました。
一方で、公式サイトや医療系ポータルサイトには地名は含まれず「ABC眼科」のみの表記。
Googleビジネスプロフィールでも地名を除外し「ABC眼科」として統一したところ、順位は18位→3位まで上昇。1日の集患数も3人→6人にUP。
まとめ:NAP情報の統一でMEO対策を強化
NAP(Name・Address・Phone)の統一は、MEO対策の中でも最も基本でありながら、見落とされやすい重要ポイントです。
Googleビジネスプロフィールだけでなく、ホームページや各種ポータルサイト、SNSにいたるまで、全ての媒体で正確かつ一貫性のある情報発信を行うことが、検索順位の向上やユーザーからの信頼獲得に繋がります。
情報のズレは機会損失に直結する時代。
まずは現状のNAP情報を見直し、統一管理を進めていきましょう。地道な整備が、大きな集客効果へとつながります。
- NAPとは、Name(名称)・Address(住所)・Phone(電話番号)の略で、ローカル検索対策の基礎情報
- すべての媒体でNAP情報を統一することで、検索順位の向上につながりユーザー信頼を獲得できる
- 表記のブレや誤記、情報の古さは機会損失に直結するため、定期的なチェックと整備が必要
- GoogleビジネスプロフィールでのNAP設定と、構造化データの活用が効果的
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