集客の一環として、ポータルサイト「エキテン」への掲載を考えたことのある店舗オーナーやマーケティング担当者は多いはず。実際に掲載しているという方もいるでしょう。
一方で、
「エキテンに掲載料を払う価値はあるのだろうか?どれくらいの集客効果があるか知りたい」
「エキテンに掲載すれば集客できると聞いたのに、思ったような反応がない…」
と疑問や悩みを持っている方も少なくありません。
この記事では、「なぜ自分の店舗がエキテンで集客できていないのか」という根本原因を徹底的に掘り下げ、今日から実践できる具体的な解決策を提示します。
Webtantそもそもエキテンとは?基本的な特徴と集客の仕組み
エキテンは、株式会社デザインワン・ジャパンが運営する国内最大級の店舗の口コミ・ランキングサイトです。
美容室、整体、飲食店、習い事など、250以上の多岐にわたる業種を網羅しており、掲載店舗数は517万店以上、月間利用者数は670万人以上に上ります。



エキテンの基本的な集客の仕組みは、ユーザーが「地域名 + 業種」などのキーワードで店舗を検索し、表示された店舗情報や口コミ、ランキングを参考に、来店する店舗を選ぶというものです。
ユーザーはジャンル、エリア、口コミ、ランキングなど様々な条件で店舗を検索でき、気に入った店舗があればその場で予約することも可能です。また、口コミ投稿でポイントが貯まる仕組みもあり、口コミ獲得をサポートしてくれるありがたい機能とも言えます。
- 口コミランキング:口コミ数や評価が高い店舗はランキング上位に表示されやすくなります。
- クーポン表示:新規・リピートを促す特典を提供しやすい設計。ユーザーの行動を後押しできます。
- プッシュ通知:エリア×業種で検索したユーザーに通知を出せる機能もあり、タイムリーなアプローチが可能。
- 簡易的なHPの役割:営業時間やアクセス、店舗情報から写真・口コミ掲載まででき、簡易的なHP代わりにもなります。
「エキテンは集客できない」と言われる3つの原因
エキテンが今も有力な集客ツールであるにもかかわらず、「集客できない」と感じる店舗が存在するのはなぜでしょうか。
そこには、多くの店舗が陥りがちな共通の「落とし穴」が存在します。ここでは、特に重要な3つの原因を深掘りし、「エキテンは集客効果がない」と感じてしまう背景を探っていきます。
原因1:無料登録後に何もせず放置
エキテンの最大の魅力の一つは、無料で店舗情報を掲載できる点にあります。初期費用、月額費用、成果報酬が一切かからないため、気軽に始められるのが特徴です。しかし、この「無料」という手軽さが、かえって集客の機会損失に繋がっているケースが少なくありません。
無料プランで掲載できる情報は、基本的な店舗情報に限定されます。写真の枚数、クーポンの種類、詳細なメニュー情報、スタッフ紹介の人数などに制限があり、有料プランに比べて表示される情報量が圧倒的に少ないのです。
ユーザーは、店舗を選ぶ際に多くの情報を比較検討します。写真が少なかったり、メニューの詳細が不明瞭だったりすると、たとえ興味を持っても「情報が足りない」「どんなお店かイメージできない」と感じ、他の情報が充実した店舗へと流れてしまう可能性が高まります。
特に、競合店舗が有料プランで情報を充実させている場合、無料プランの店舗は検索結果で下位に表示されやすく、ユーザーの目に触れる機会自体が減少してしまいます。



原因2:口コミの数が少ない、または評価が低い
エキテンは「口コミ・ランキングサイト」である以上、口コミは集客において最も重要な要素の一つです。ユーザーの8割以上が口コミを参考にすると言われており、口コミの数や内容が、来店を決定する大きな要因となります。
しかし、「集客できない」と悩む店舗の多くは、この口コミの「質」と「量」が不足しています。口コミが少ない、あるいはネガティブな口コミばかりが目立つ場合、ユーザーは「人気がないお店なのかな」「何か問題があるのかな」といった印象を抱き、来店をためらってしまいます。
また、口コミへの返信がない、あるいは定型文ばかりの返信では、お客様とのコミュニケーション不足と捉えられ、店舗の誠実さや顧客対応への熱意が伝わりません。
原因3:エキテン自体の集客力低下
エキテンは確かに強力なプラットフォームですが、その集客力は常に一定ではありません。
業種を問わず無料掲載できるため大量の店舗が掲載し、エキテン内が「飽和状態」となっているとも言えるでしょう。特に人気のある業種やエリアでは、競合店舗の掲載数が非常に多く、自店舗の情報がその他大勢の中に埋もれてしまいがちです。
競合がひしめく中で、いかに自店舗の魅力を際立たせ、ユーザーの目に留まるかを戦略的に考える必要があります。
さらに、エキテンの「ドメインパワーの相対的低下」も無視できません。エキテン自体がSEO対策を怠っているわけではありませんが、近年では「ホットペッパービューティー」のような特定の業種に特化した大手ポータルサイトが、その業種関連のキーワードで検索上位を独占する傾向が強まっています。
これは、Googleの検索アルゴリズムが、より専門性の高い情報や、ユーザーの検索意図に合致したコンテンツを評価するようになったこと、そして大手ポータルサイトが莫大な予算を投じてSEO対策や広告戦略を展開していることが背景にあります。
エキテンのドメインパワーが弱くなったわけではありませんが、相対的に競合が強くなったことで、以前のように「ただ掲載するだけ」で検索上位に表示され、集客に繋がるという状況ではなくなってきているのです。
エキテンの集客効果を最大化する5つの実践的テクニック
これまでの章で、エキテン集客がうまくいかない原因と、その背景にあるプラットフォームの現状を理解いただけたかと思います。
ここからは、その「落とし穴」を回避し、競合に差をつけてエキテンでの集客効果を最大化するための具体的な「鉄則」を5つご紹介します。これらの鉄則を実践することで、自店舗はエキテン内で埋もれることなく、潜在顧客の目に留まり、最終的な来店へと繋がるでしょう。
テクニック1:店舗ページの情報を徹底的に充実させる
エキテンの店舗ページは、あなたの店舗の「顔」であり、24時間365日働く「営業マン」です。この営業マンが魅力的でなければ、どんなにアクセスがあっても来店には繋がりません。無料プランでも可能な範囲で、徹底的に情報を充実させることが第一歩です。
書ける項目は全て100%埋める
エキテンの店舗ページには、基本情報だけでなく、メニュー、クーポン、スタッフ紹介、こだわり、アクセスマップなど、さまざまな入力項目が用意されています。これらの項目を「後でやろう」と放置せず、100%埋めることを徹底してください。
ユーザーが知りたい情報は多岐にわたります。疑問や不安を解消できるように先回りした記述が望ましいです。
- 店舗のコンセプトやこだわり
なぜこの店舗を始めたのか、どんな想いでお客様を迎えているのかをストーリーとして語ることで、共感を呼びます。 - メニューの詳細:
施術内容および料金だけでなく、施術の流れ、期待できる効果、使用する商材なども具体的に記載します。写真やイラストを交えると、より分かりやすくなります。飲食店のメニューでも1つ1つのおすすめポイントを訴求すると良いです。 - スタッフ紹介
スタッフ一人ひとりの得意な施術、趣味、お客様へのメッセージなどを掲載することで、親近感が湧き、指名に繋がりやすくなります。 - 店内の雰囲気
清潔感、リラックスできる空間、アットホームな雰囲気など、言葉だけでなく写真で伝えることが重要です。
お客様が「擬似体験」できる画像を20枚以上掲載
人間は視覚から得る情報が8割以上と言われています。写真の質と量は、来店意欲に直結します。
ただ漠然と写真を載せるのではなく、お客様が「ここに行ってみたい」「この施術を受けてみたい」と具体的にイメージできるような写真を戦略的に掲載しましょう。
- 内装・外観
店舗の入り口、待合室、施術スペースなど、お客様が実際に来店した際に目にする場所を複数アングルから撮影します。清潔感や居心地の良さが伝わるように心がけましょう。 - 施術風景
実際に施術を受けている様子をモデルを使って撮影します。お客様が「自分が施術を受けている姿」を想像できるような、リアルで魅力的な写真が理想です。ただし、プライバシーに配慮し、モデルの許可を得て撮影してください。 - スタッフの笑顔
施術中の真剣な表情だけでなく、お客様と談笑しているような自然な笑顔の写真を掲載することで、親しみやすさをアピールできます。 - メニューや商品
提供するメニューや商品の写真は、美味しそうに見えるか、効果が伝わるか、といった視点で撮影します。プロのカメラマンに依
最低でも20枚以上の写真を掲載し、定期的に新しい写真に更新することで、常に新鮮な情報を提供し、ユーザーの興味を引きつけ続けることができます。
テクニック2:質の高い口コミを増やす
口コミは、現代の集客において最も強力な「第三者の声」です。ただ口コミを増やすだけでなく、その「質」を高め、お客様との関係性を深める「育てる」視点を持つことが重要です。
良質な口コミを促すアプローチ
お客様に口コミを依頼する際、多くの店舗が「口コミ書いてください」と直接的に頼みがちですが、これはお客様に心理的な負担を与えてしまう可能性があります。以下のような、お客様に寄り添った依頼方法を試してみましょう。
- 来店時や会計時
「本日はありがとうございました。もしよろしければ、エキテンに当店の感想をいただけると嬉しいです!お客様の声が私たちの励みになります」と、感謝の気持ちと共に伝える。 - 施術後
「今日の施術はいかがでしたか?もしご満足いただけましたら、エキテンで率直なご意見をお聞かせいただけると幸いです。今後のサービス向上の参考にさせていただきます」と、サービス改善への意欲を示す。 - 特典の提供
「口コミを書いてくださった方には、次回ご来店時に〇〇をプレゼント!」といった、ささやかな特典を用意することも有効です。ただし、過度な特典はサクラと見なされる可能性があるので注意が必要です。
全ての口コミに3日以内に返信し、誠実さをアピール
口コミへの返信は、お客様への感謝を示すだけでなく、他の潜在顧客にも「このお店は顧客を大切にしている」という良い印象を与える絶好の機会です。全ての口コミに、3日以内に返信することを心がけましょう。
返信の内容例
まずは、口コミを投稿してくれたことへの感謝を伝えます。
「〇〇の施術にご満足いただけたとのこと、大変嬉しく思います」「〇〇のメニューを気に入っていただけて光栄です」など、口コミの具体的な内容に触れることで、定型文ではない「個別対応」であることを示します。
口コミの内容に関連して、お店のこだわりやサービスへの想いを追記することで、より深い共感を呼びます。
「またのご来店を心よりお待ちしております」といった言葉で締めくくり、リピートを促します。
批判的な口コミに対しても、感情的にならず、真摯に受け止める姿勢を見せるのがポイント。
「ご不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ございません。〇〇の点につきましては、改善に努めてまいります」と、具体的な改善策や今後の対応を提示することで、誠実さをアピールできます。
テクニック3:有料プランを活用
エキテンの有料プランには、無料プランでは得られない多くのメリットがあります。課金することを単なる「コスト」と捉えるのではなく、集客効果を高めるための「投資」と考えることも重要です。
無料プランと有料プランの違い
| 項目 | 無料プラン | 有料プラン(正会員) |
| 初期費用 | 0円 | 30,000円(税別) |
| 月額費用 | 0円 | 5,000円〜(税別) |
| 成果報酬 | 0円 | 0円 |
| 掲載情報量 | 基本情報のみ(制限あり) | 豊富な情報掲載(写真・動画・メニュー・クーポンなど) |
| 写真掲載枚数 | 制限あり | 複数枚掲載可能(動画も可) |
| クーポン発行数 | 制限あり | 複数発行可能 |
| スタッフ紹介 | 1名のみ | 複数名紹介可能 |
| 検索結果表示順位・露出度 | △ | ◎ 高い |
| ネット予約機能 | なし(電話予約のみ) | あり |
| ページ制作代行 | なし | 初回のみあり |
| 電話サポート | なし | あり |
| 他店広告表示 | あり | なし |
| オプションサービス | なし | あり(エリアマッチなど) |
有料プランは、無料プランに比べて検索結果で上位に表示されやすくなるだけでなく、より多くの情報掲載、ネット予約機能、電話サポート、オプションサービスなど、集客効果を高めるための機能が充実しています。
これらの機能を活用することで、無料プランではリーチできなかった潜在顧客にアプローチし、集客に繋げることが可能になります。
プランやオプションなど複数選択肢があるため、気になる方は資料請求をして確認してみましょう。
費用対効果の計測
有料プランは投資である以上、その費用対効果を常に計測することが重要です。エキテンのアクセス解析画面から確認できます。
- アクセス数:店舗ページへの訪問者数。
- 電話問い合わせ数:エキテン経由での電話問い合わせ数。
- ネット予約数:エキテン経由でのネット予約数。
- クーポン利用数:エキテンで発行したクーポンの利用数。
これらのデータと、有料プランに投じた費用を比較し、費用対効果を算出します。もし費用対効果が低いと感じる場合は、プランの見直しや、店舗ページの改善、口コミ施策の強化など、次のアクションを検討しましょう。
テクニック4:データを活用し、PDCAサイクルを回す
Web集客において、データに基づいたPDCAサイクル(Plan-Do-Check-Action)は不可欠です。エキテンのアクセス解析機能を活用し、常に改善を繰り返すことで、集客効果を継続的に向上させることができます。
最低限チェックすべき3つのデータ
エキテンのアクセス解析では、様々なデータを確認できますが、まずは以下の3つの指標を最低限チェックしましょう。
店舗ページへの訪問者数の推移を把握します。アクセス数が急増した日や減少した日があれば、その原因(例:キャンペーン実施、メディア掲載、競合の動きなど)を分析しましょう。
実際に来店に繋がったアクションの数を把握します。アクセス数が多いのに問い合わせや予約が少ない場合は、店舗ページの内容やクーポン、口コミなどに改善の余地があると考えられます。
ユーザーが店舗ページのどの部分をよく見ているかを把握します。例えば、メニューページやクーポンページがよく見られているにもかかわらず、予約に繋がらない場合は、それらの内容に魅力がない、あるいは分かりにくい可能性があります。



データから課題を見つけ、具体的な施策に繋げる
これらのデータから課題を見つけ、具体的な改善アクションに繋げていきます。
- アクセス数が少ない場合
タイトルやキャッチコピーを見直す、写真を追加する、口コミを増やす、有料プランへの切り替えを検討するなど、露出を増やす施策を検討します。 - アクセス数が多いのに問い合わせや予約が少ない場合
店舗紹介文をより魅力的にする、クーポンの内容を見直す、メニューの詳細を分かりやすくする、口コミへの返信を充実させるなど、ユーザーの来店意欲を高める施策を検討します。 - 特定のページ(例:クーポンページ)の閲覧が多いのに利用が少ない場合
クーポンの内容が魅力的でない、利用条件が分かりにくい、予約方法が複雑などの問題がないか確認し、改善します。
PDCAサイクルを継続的に回すことで、エキテンでの集客効果は着実に向上していくでしょう。
テクニック5:MEO対策と連携させ、相乗効果を狙う
エキテンでの集客効果を最大化するためには、エキテン単体で考えるのではなく、他のWeb集客施策、特にGoogleビジネスプロフィール(MEO対策)と連携させ、相乗効果を狙うことが非常に重要です。
Googleマップは、地域ビジネスを探す際に最も利用されるツールの一つです。エキテンとGoogleビジネスプロフィールの情報を常に最新かつ統一された状態に保つことで、ユーザーはどのプラットフォームからアクセスしても一貫した情報を得ることができ、信頼性が向上します。


- 情報の統一
店舗名、住所、電話番号、営業時間、提供サービス、写真など、基本的な情報は両方のプラットフォームで完全に一致させましょう。情報が異なると、ユーザーは混乱し、不信感を抱く可能性があります。 - 口コミの相互活用
エキテンで得た良い口コミは、Googleビジネスプロフィールにも手動で投稿したり、Googleビジネスプロフィールの口コミをエキテンの店舗紹介文で引用するなど、相互に活用しましょう。これにより、両方のプラットフォームでの評価が高まり、集客効果が倍増します。 - 写真の共有
エキテンに掲載している質の高い写真をGoogleビジネスプロフィールにもアップロードすることで、Googleマップ上での店舗の魅力を高めることができます。
まとめ
本記事では、「エキテン集客はもう古い?」という疑問に対し、エキテンの現状と、集客できない店舗が陥りがちな3つの「落とし穴」を解説しました。そして、その課題を克服し、エキテンでの集客効果を最大化するための5つの「鉄則」をご紹介しました。
エキテンは、確かに以前のように「ただ掲載するだけ」で集客できる時代ではありません。しかし、月間680万人以上の利用者がいる巨大なプラットフォームであることに変わりはなく、「正しく運用すれば」今もなお強力な集客ツールとして機能します。
- 店舗ページを徹底的に充実させる
- 口コミを積極的に「育て」、信頼性を高める
- 有料プランを「投資」と捉え、戦略的に活用する
- データに基づいたPDCAサイクルを回し、継続的に改善する
- Googleビジネスプロフィール(MEO対策)と連携させ、相乗効果を狙う
1つ1つは地味に思える作業や試作かもしれませんが、積み重なることで効果を発揮します。まずは店舗ページに抜け漏れがないか?からチェックしていきましょう。
もし、これらの施策を自社だけで進めることに限界を感じている、あるいはもっと具体的なアドバイスが欲しいとお考えであれば、ぜひ専門家の力を借りることもご検討ください。
「このままエキテンに課金して使っていていいのか?」
「予算内で自社にあった集客効果のある施策が知りたい」
「どの集客施策を強化すべきか優先順位付けして欲しい」
弊社では、こういった課題や疑問を解消するための無料個別相談会やWeb集客診断レポートを提供しています。
どう進めていくべきか迷った際にはぜひお気軽にご相談ください。

