Google検索やGoogleマップでお客様に見つけてもらうためには、正確なビジネス情報の登録が不可欠です。なかでも「住所」は、移転や新店舗開設時に必ず見直すべき重要な項目。
この記事では、Googleビジネスプロフィールの住所変更が必要となるケースや、変更手順、注意点、やっておくべき関連施策までを詳しく解説します。
店舗移転や業態変更を控えている方、すでに移転済みの方もぜひご参考ください。
Googleビジネスプロフィールの住所変更が必要な3ケース
Googleビジネスプロフィールの中で、住所はもっとも基本的かつ重要な情報のひとつです。
店舗の移転や事業形態の変化があった際には、正確に、そして速やかに住所情報を更新することが、集客力の維持やユーザーの信頼獲得につながります。
まずは、どのようなケースで住所の変更が必要になるのかを理解しておきましょう。
店舗移転:既存の口コミや評価も引継ぎ住所変更のみ行う
たとえば、現在のスペースでは手狭になったため広い店舗へ移る、家賃や契約の都合で別の場所へ移る、といった「店舗移転」が発生した場合です。
このとき、Googleビジネスプロフィールの住所情報だけを新しいものに変更すれば、既存の口コミや評価、写真、オーナー情報などはすべて引き継がれます。
この方法であれば、新しくアカウントを作り直す必要はありません。これまで積み上げてきた信頼やSEO評価もそのまま活かせるため、集客への影響を最小限に抑えることができます。
ただし、住所を変更したあとに、Googleによるオーナー再認証(確認ハガキなど)が必要になる場合があります。詳細は後述します。
店舗新設:アカウントも一から作る
2店舗目、3店舗目と新しい拠点を展開する場合は、既存アカウントの「住所変更」ではなく、新しいビジネスプロフィールを1から作成する必要があります。たとえば、東京に1店舗あったが、大阪にも新店舗を開くといったケースです。
この場合、住所だけでなく、店舗名や電話番号、カテゴリ、営業時間などもそれぞれ設定します。同じブランド名であっても、店舗ごとに独立したページを持つことが推奨されています。
操作・設定としては、新規で作るのと同一です。こちらに該当する方は以下をご参照ください。
業態変更:アカウントも一から作る
「美容室」から「エステサロン」へ、「カフェ」から「雑貨店」へなど、提供する商品・サービスの内容が大きく変わる場合も、アカウントを作り直す必要があります。
Googleのガイドラインでは、事業内容が異なる場合は別のビジネスとみなすため、プロフィールの継続使用が認められない場合があります。無理に使い続けると、Googleマップ上での表示順位が下がる・アカウント停止になるなどのリスクもあります。

ユーザーの利便性という観点からも、新アカウントで1から構築するのが望ましいです。
違う業態にもかかわらず旧店舗のアカウントを引き継いでいる場合には、旧店舗の情報(特に写真と口コミ)が混乱を招く原因にもなります。
店舗移転時にGoogleビジネスプロフィールで住所変更を行う手順
店舗の引っ越しが決まったら、すぐに住所変更の手続きを進めましょう。ここでは、Googleビジネスプロフィールでの住所変更の具体的な手順を詳しく解説します。
管理画面へログイン


まず、Googleビジネスプロフィールの管理画面にアクセスし、オーナーとして登録したGoogleアカウントでログインします。
アカウントが複数ある場合は、該当のビジネスが登録されているアカウントを選んでください。
店舗情報で住所変更


管理画面左メニューにある「情報」をクリックし、表示されたビジネス情報の中から「住所」欄を見つけましょう。鉛筆アイコンをクリックすると、編集画面に進めます。


新しい住所を正確に入力してください。建物名や部屋番号がある場合も省略せずに記載するのがポイントです。郵便番号や番地の入力ミスがないかしっかりと確認しましょう。
店舗位置(ピン)の設定


住所を入力したあと、自動的に地図が表示され、店舗の位置にピンが立ちます。
このピンの位置が実際の店舗とズレている場合は、ドラッグ&ドロップで正しい場所へ移動させましょう。マンションの1階、駅ビル内など、場所が複雑な場合は、ストリートビューと見比べながら調整するとより正確に設定できます。
注意点:新旧住所で二重にアカウントを作らない
店舗移転時に新しい住所でプロフィールを新規作成してしまうと、Google側では「同一ビジネスが複数登録されている」と判断され、スパム認定や検索結果からの削除といったリスクが発生します。
業態変更を伴わない住所移転の場合には、「既存アカウントを編集」する形で対応し、新アカウントを別途作成しないことが重要です。
「すでに二重で作ってしまった…!」という方は↓
旧住所と新住所で二重にアカウントを作った際の対処法
店舗移転時に住所変更と併せて行うべき施策
Googleビジネスプロフィールで住所を変更するだけでは、まだ十分とは言えません。ユーザーにしっかり「移転したこと」が伝わらなければ、新しい店舗にたどり着いてもらえません。
ここでは、住所変更と併せて行うべき周知施策を紹介します。
移転先の外観・内観写真をUPする
新しい店舗の写真をすぐにアップロードしましょう。
Googleビジネスプロフィールアカウントを継続して使う場合、旧店舗の外観や内観の写真も複数入っているはずです。自分(自社)で投稿した古い写真については削除してしまうのもアリです。
- 店舗の外観
- 看板
- 入口
- 内装
- メニュー
- サービス風景など
これらの写真は、訪問前のお客様の誤解を防ぎ、安心感を与えてくれます。複数枚アップしていきましょう。
写真の更新はGoogleの検索アルゴリズムにも好影響を与えるため、ローカル検索順位アップにもつながります。
Googleビジネスプロフィールの投稿機能で周知
Googleビジネスプロフィールの「最新情報」投稿機能を使えば、ユーザーに移転情報をリアルタイムで伝えることができます。
「〇月〇日より○○に移転しました」「新店舗での営業を開始しました!」といった投稿は、プロフィールを閲覧するユーザーの目にも留まりやすくなります。
写真や移転記念キャンペーン情報もセットで発信すると、来店動機が高まります。
HPやポータルサイトでの住所更新
自社ホームページやSNSに表記している住所も変更しておきましょう。併せて、ホットペッパービューティー、食べログ、エキテンなどの各種ポータルサイトに登録している情報も修正しましょう。
古い情報が残ったままだと、ユーザーの混乱を招くだけでなくMEO対策上も悪影響です。NAP統一という観点からも忘れずに行っておきたいですね。
NAPとは
NAPとは、Name(名前)、Address(住所)、Phone(電話番号)の頭文字を取ったもので、主にローカルSEO対策において重要な情報です。これらの情報を正確かつ一貫して各種Webサイトやディレクトリに掲載することで、検索エンジンの評価が向上し、店舗や企業の検索順位が上がる可能性があります。
自社サイトやSNSでの告知
自社サイトのトップページやブログ記事、SNS(Instagram、Facebook、X、Tikotk)などでも積極的に告知を行いましょう。ハッシュタグや移転キャンペーン投稿も有効です。
継続的に周知を続けることが、常連客の離脱防止につながります。
名刺やチラシなどオフライン媒体の修正
紙の名刺やショップカード、チラシ、看板なども忘れずに新住所へ修正を加えましょう。オフラインでも集客している場合は、これが新規顧客への重要な導線になります。
新住所の告知、修正する場合には行き方や最寄り駅についても案内があると親切でしょう。
旧住所と新住所で二重にアカウントを作った際の対処法
万が一、誤って新旧の2つのGoogleビジネスプロフィールを作成してしまった場合、重複アカウントを放置せず、速やかに対応する必要があります。
管理画面から旧住所でのアカウントの削除依頼をする
まず、旧店舗を管理しているGoogleアカウントにログインし、ビジネスプロフィール管理画面を開きます。
旧店舗のアカウントにチェックマークを付けると「操作」というクリック箇所が出てきます。


続いて、「次のマークを付加」を選択します。ここでは、「閉業」を選ぶと良いでしょう。


続いて、「ビジネス情報を削除」を選びましょう。
注意点として「ビジネス情報を削除」という選択肢は、Googleビジネスプロフィールの管理権限を失いますが、必ずしもGoogle検索やGoogleマップから削除できるわけではない点です。
ビジネス プロフィールの管理をやめる場合は、そのコンテンツと管理者を削除できます。Google アカウントからビジネス プロフィールを削除すると、Google 検索と Google マップでそのプロフィールを管理できなくなります。
(中略)
重要: ビジネス プロフィールからオーナー権限とコンテンツをすべて削除しても、ビジネスが Google マップと Google 検索に表示されなくなるとは限りません。
「閉業」ステータスへの変更と併せて行うようにしましょう。
Googleマップからも旧住所アカウントの削除要請をする
Googleマップ上で旧店舗を検索し、「情報の修正を提案」→「存在しない/閉業」を選んで申請することで、ユーザー側からも削除リクエストが出せます。
Googleビジネスプロフィールを管理しているアカウント以外がおすすめです。


下のほうにスクロールすると「情報の修正を提案」というのが出てくるため選択しましょう。


「閉業している」「この場所には存在しない」「他の場所と重複」「不適切、有害、誤解を招く」のいずれかを選択すると良いでしょう。


複数人のユーザーが報告すると、反映されやすくなります。
個人的なGoogleアカウントや家族知人に協力を仰ぎ、Googleマップから削除申請をしてもらうのも良いでしょう。
補足:業態変更で1からアカウントを作りなおす際の手順
業態変更によって、既存のGoogleビジネスプロフィールが使用できない場合は、新たにアカウントを作成しましょう。その前に旧店舗(業態)の情報を削除する必要があります。具体的な手順を見ていきましょう。
旧店舗の情報を削除
「閉業」処理を行い、プロフィールをマップ上から非表示にする対応が必要です。そのまま放置すると、古い口コミや店舗情報が混在し、混乱のもとになります。
手順としては、先ほど2重アカウント状態になった際の対処法としてご紹介したものと一緒です。




無事に設定が完了すると「閉業」ステータスがつきます。


1からオーナー登録を行う
上記の設定が完了したら、新たに新業態(新住所)でのアカウント設定をしていきます。
新しい業種・店名で新規にGoogleビジネスプロフィールを作成し、オーナー確認を行いましょう。カテゴリやサービス内容、営業時間などをしっかり設定することで、検索順位や表示精度に良い影響を与えます。
Googleビジネスプロフィールの住所変更に関するよくあるQ&A
Googleビジネスプロフィールの住所を変更する際に気になる疑問を集めました。
住所変更が反映されるまではどれくらいかかる?


通常は10分ほどで反映されますが、再認証が必要な場合は、確認ハガキの郵送(5〜14日ほど)を待つ必要があります。さらに、年末年始や連休など長期休みを挟む場合には審査に1ヶ月以上かかることもあるようです。
通常、プロフィールの変更が反映されるまでに 10 分ほどかかります。場合によっては 30 営業日ほどかかる場合がございます。
住所変更でオーナー確認が再度必要になることはある?
はい。Googleが再度オーナー確認を求めるケースがあります。すでにオーナー確認が済んでいる方も対象になる可能性がある点に注意が必要です。
ビジネスの詳細の一部を最近更新した場合、プロフィールのオーナー確認を再度行うために追加情報を提供するよう求められることがあります。追加情報の提供や情報の更新が求められるのは、ビジネス情報の正確さを維持するためのプロセスの一環です。
住所変更されているか表示を確認する方法は?
Google検索で「店舗名」や「業種+地域名」などで検索し、ナレッジパネル(右側のビジネス情報)やマップの表示内容を確認しましょう。スタッフ数名や知人など他の人にも確認してもらうとより安心です。
住所変更をするとマップの検索結果順位に変化はある?
一時的に表示順位が下がることがあります。新しい地域での口コミや評価が少ない場合、Googleの評価が安定するまで時間がかかるためです。投稿や写真追加、口コミ促進などの運用を継続することが大切です。
旧店舗の口コミはどうなる?
「移転」であれば、アカウントを引き継ぐため、口コミもそのまま表示され続けます。口コミ数や評価(☆)も引き継がれます。1からアカウントを構築するよりも有利です。
ただし、「業態変更」や「アカウント新規作成」の場合は過去の口コミは引き継がれません。一からGoogleビジネスプロフィールアカウントを育てていく必要があります。継続的な運用と口コミ獲得に注力しましょう。
まとめ:住所変更時は速やかに設定を!
Googleビジネスプロフィールでの住所変更は、実際の移転と同じくらい重要です。情報が古いままだと、お客様が迷ったり、店舗が閉店したと誤解されたりする可能性も。Google検索やマップ上での検索順位の低下につながる恐れもあります。
住所変更だけでなく、写真の差し替えや投稿、SNS・ポータルサイトでの告知、旧店舗アカウントの整理までを一括して行うことで、移転後の集客もスムーズにスタートできます。
正確・迅速な対応で、新しい店舗のスタートダッシュを成功させましょう。
- Googleビジネスプロフィールの住所変更は、店舗移転・新店舗開設・業態変更の3パターンで対応が異なる
- 移転のみの場合は既存アカウントの編集でOK。業態変更・新店舗は新規アカウント作成が必要
- 住所変更後は、新店舗の写真投稿や投稿機能での告知を行い、ユーザーに周知を
- 自社HPやSNS、ポータルサイトの情報もNAP情報の統一を意識して更新することが重要
- 旧アカウントの削除申請や「閉業」設定も忘れずに行い、Googleマップでの重複登録を防ぐ
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